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2023.03.17

「人」に関する課題を解決 ~元人事部長がワンストップで伴走します~VOL.2

VOL.2 真の多様性について(DE&I)

■DE&Iとは

 組織における多様性について、人的資本経営に取り組んでいる先進企業においては、DE&I(ダイバーシティエクイティ&インクルージョン)という言葉を使用していると感じます。これまでは、D&IつまりDiversity(多様性)とInclusion(包含)と表記していましたが、これにEquity(公平性)が加わっています。
 つまり、多様な人材を人員を取り込むだけでなく、お互いを公平に扱いそしてそれを組織として包含するということまでが、真の多様性の取り組みであるとの認識の表れであります。これは表面的な対応では不足で、人心といった内面的なところまでにも踏み込んで受容する状態にあることが、真の多様性であるという意図を示すものとなります。

■なにをすればよいか

 ではどんな取り組みがあるのでしょうか。一般的な制度を見ていきましょう。
例えば育児休業です。これまでは、妊娠・出産・育児は主に女性中心のライフイベントでしたが、配偶者についても参画しやすいように法制度が大きく変更されました。会社はその制度を運用し当事者は活用するわけですが、それだけでは不十分です。併せて上司や同僚には理解を得る、同様に上司や同僚はそれを受容することが必要となります。
 
 次に、働き方です。コロナの影響もあり、働く場所と時間の柔軟性を担保した制度が多くの企業で取り入れられました。場所では場所では、モバイルワークやオンラインによるコミュニケーションを前提に、在宅、サテライトオフィス等での勤務、外出先での隙間活用、ワーケーション等の活用です。
 また時間では、短時間勤務、時差出勤、フレックスタイム制、裁量労働制の導入、中抜けや直行直帰等が定着しました。
 これまでの共通事項として固定的であった場所と時間が、柔軟かつ選択できるようになりました。それゆえこれまでのコミュニケーションの量的にも質的にも変化があり、より一層の信頼関係が求められるようになりました。

 そして、キャリアの在り方です。例えば異動や転勤です。異動については、もちろん会社側からは限られた人材をどう活用するかという視点で考えるわけで、言わば適材適所に異動をさせる権限があるわけです。しかしながら昨今では、自律性の観点からキャリアを自分で作るといった、社内公募制やフリーエージェント制度等を取り入れる企業もみられます。また副業の解禁や社内インターンシップ制度等、職務の多様性を鑑みた制度も多くみられます。また転勤においては、全国型と地域密着の選択制が取り入れられたり、転勤をなくし、働く場所はどこでも可能とする住居エリアフリーの企業もでてきました。

■定着させるには

 これまで主だった例をあげてみましたが、各々取り組みには各社各様のユニークな制度も多くあり、今後の取り組みにおいて大変参考になると思います。これら制度を適正に運用して定着させることで、社員の能力やエンゲージメントを引き出し、その結果企業価値向上に繋がることがとても重要であります。つまりこれが「人的資本経営」の大きな目的でもあるのです。

 ではどうすれば、そのような効果を持続させていくことができるのでしょうか。言うまでもありませんが、制度を運用するのは「人」となります。その「人」が、制度の主旨を正しく理解して、その運用に対して受容し、企業活動の理念等に則り、組織を円滑に回していくという姿勢が求められるのではないでしょうか。

 つまりE(エクイティ)とI(インクルージョン)の部分です。

 言い換えますと、誰もが、「お疲れ様です」、つまり労いの心を持つこと。次に「お互い様です」、つまり奉仕の心を持つこと。そして3つ目に「お蔭様です」、つまり感謝の心を持つこと、が大切であると考えます。組織活動に参画する際に、この3つの心を持てる用意があれば、企業価値向上という目標に近づくと感じています。

■そこに愛はあるのか

 「愛」という言葉はあまり職場においてふさわしくないかもしれません。一般的には恋愛感情という意味合いが強いですが、組織における人間関係において、この言葉は  実はとてもシンプルであり、自身のあり方を検証するのに絶好の言葉であるとも感じています。

 「そこに愛はあるのか」

 これは、例えば親子間や子弟間に言われるような「愛」であります。例えば、上司が部下を指導した後に「そこに愛はあったのか」と自問自答するのは如何でしょうか。部下のキャリアを見据え指導していたのか、いやただ単に気に入らないとか、イライラしていたから等と、感情的に自分の一方的な思いをぶつけていなかったか等、その言動をふりかえるのに使えるワードです。その場ですぐ検証するのにとても役立つ言葉であると思います。

 DE&Iを実現するためのキーワードは「そこに愛はあるのか」ではないでしょうか。言葉やそのトーンに愛が込められていたかがポイントであると思います。是非自身のコミュニケーションや言動を振り返る際に「そこに愛はあるのか」とつぶやいてみてください。これはDE&Iの実現のためのルーティンとなることでしょう。

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