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2021.06.24

面接時の見るポイントについて

1.「等身大の姿を見極められるか」

これがいつも面接に向かう際のテーマです。良くも悪くも候補者はアピールしてきます。選考を悩むこともままあります。これまで数多くの候補者とお会いしましたが、限られた時間の中で、その方の本質を見抜くのは難しいなと今も感じています。

ただそれでも、自身を正当に評価して等身大の自分を表現しているのかどうか、過大評価していないか或いは過小評価していないか等、素直に自分が表現できているか、唯一面接をする中で見ているポイントです。

履歴書にはなかなか嘘偽りは書けないと思います。しかし職務経歴書はある程度自由に書けます。どの会社で何の仕事をしてどう成果を出した等が書かれていますが、本当にそうなのかということです。

自身はその成果に対してどう絡んでいて、何が大変だったか、うまくいった要因は何か等聞くとどうもよくわからないということがあります。自分の理解力がないのかと思い改めて聞き直してもやっぱりわからない。これは等身大に語られていないのではと思います。

面接では、候補者には準備時間がありますので、いかようにでも言えるわけです。特に話が旨い人は、流暢にさもありなんとしてものの見事に語り掛けます。

でも特にその時には注意が必要です。本当に優秀な方は誰が見ても優秀なのがわかりますが、一方で表現力により自分に下駄を履かせてくる方もいます。此の点においては見極めるのが至難の業であると思います。

2.メラビアンの法則

メラビアンの法則というものがあります。

・「第一印象は出会って数秒で決まる」

・「視覚が55%、聴覚が38%、言語が7%」

つまりこの法則からは、視覚(見た目)と聴覚(喋り方)から、「見た目が一番重要」あるいは「話の内容よりも喋り方のテクニックが重要」という解釈になっているようです。

つまり、面接官はぱっと見の外見や流暢な話し方によってその人物を肯定してしまい、後の質問は自分の感じた肯定を確認するような質問に終始してしまうという落とし穴にはまるのです。既に相手の術中にはまってしまうということです。

例えば見極める質問の仕方については、「これまでの経験で一番の成果について聞かせてください」等と質問する。すると「来ました!」とばかりに自信をもって挙げた成果について語りだす。ところが、本当にそれを成し遂げたのかと疑問に思うこともあります。飾りつけているのではと勘繰りたくなります。その時は躊躇なくもう一歩踏み込んだ質問をします。「それで?」等と。それでもわからないときは更に「それで?」と踏み込む。そうするとぼろが出てくることもあります。

3.ある候補者

もう何年も前にこんなことがありました。経営企画のポジションを募集していたところ、ある候補者が応募してきました。

その方は、慶応幼稚舎から大学までいき、ペンシルベニア大学ウォートン校を卒業し、グローバル飲料メーカー出身で主に海外で活躍しているとのことでした。すぐさま連絡して面接の設定をしました。ただ応募は採用広告を経ての直接エントリーでした。

面接ではこれまでの海外での経験等を中心に聞きましたが、話を聞けば聞くほど素晴らしく問題なく最終面接へ。そして2回の面接を経て採用することになりました。

営業的にもすぐにビジネスが具体化するといった人脈もあるとのことで、好待遇で採用しました。社長以下経営幹部もワクワクして入社を待ち受けていて、早速ビジネスに取り掛かる話を始めました。

ところが、3日ほど経ってから突然出社しなくなりました。様子に変化はなく思い当たる節はありません。その時は皆狐につままれたようでした。何か事故でもあったのではと思い、履歴書にあった自宅の電話にかけてみると「現在使われておりません・・・」とのアナウンスが。。。

まさかの境地でしたが、関係者からはなんとなく話が出来すぎていたとの認識に変わり、その後音信不通のまま、敢え無く期待は消え去りました。

私はその後彼の履歴書を見返したところ気になる箇所をみつけました。

「慶應幼児舎」と書かれてあるのです。なんとなく違和感を覚え調べるとそれは誤字でした。自分の出身校を書き間違えるのかなと疑問に持ち、後日慶応幼稚舎出身の友人に確認したところ、この漢字を「まず間違えることはない」と断言されました。また本来あの経歴ならヘッドハンターが扱うような人材なのに、自身で就活をしていたことに少し疑問を抱きながらも「そういうこともあるんだな」と自分を納得させていました。

それ以降は何ら追求していないので真偽のほどはわかりません。ただ話の内容は素晴らしく経験者でないと知りえない或いは語りえない臨場感があったことをよく覚えています。怒りよりも何か爽快感すらおぼえた次第です。

4.まとめ

これはメラビアンの法則においては典型例かもしれません。

履歴書や職務経歴書でこの人物は素晴らしいに違いないと思い、さらには実際に第一印象も話し方もましてや内容までも素晴らしいと、もうとても見抜けることは不可能だと感じました。

こんな例は後にも先にもありませんが、「等身大の姿を見極められるか」はその後の面接時の強いテーマになっています。

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